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【上席】創作(自作)落語の部 東海道五十三次(神奈川編) (2)

さて次は、ご当地、川崎宿でございます。
川崎宿は、その昔、川崎大師様への街道として栄えた宿場でございまして・・・・・。
川崎大師様てえと、皆様もうご案内でございますが、境内にハトがうわ~っといまして、お店屋さんもこうやって並んでおりまして・・・・・。おばあちゃんが何を思ったのか財布から百円玉を出して、こうハトに投げるんですよ。百円玉を。あ、あのおばあちゃんボケちゃったのかなァと思って、あたしは親切なもんですから、
「おばあちゃん、何やってんですか?」
「はあ、あたしゃか。あたしゃな、ハトにエサやってんだよ」ってえから
「おばあちゃん、それ、エサじゃないですよ。百円玉ですよ」って教えてやると、
「おめえは、バカか」
「いや、あたしはバカじゃあないですけど」
「バカじゃあなかったら字ィ読めんだろ。ほら、あそこの店に書いてあんの読んでみな。ハトのエサ、百円!」

で、今の川崎てえのは、昔の煤煙の黒い煙の工業都市とは、すっかりイメージチェンジをしましてクリーン川崎。クリーン川崎ですよ。別に今日この寄席が川崎市共催だからといってヨイショする訳ではございませんが、開かれた市政、市民の意見をよく聞いてくれるんですよ。川崎市役所に行ってごらんなさい。あの時計台の。あれ、川崎市役所のシンボルだったんですよ。
あそこは、玄関から入りますてえと、右側の所にこんな箱が置いてあるんです。で、上の方に、この位の口があって何か入れられるようになってるんです。
その前で、おじいちゃん、
「あー、あー」大きな声で怒鳴ってるんです。
市の職員さん、びっくりして飛んで来て、
「おじいちゃん、こんな所で大きな声、出しちゃ困りますよ」
「え、ワシゃか。ワシゃな、役所のいう通りにやってんだよ」
あたしも傍に行って見たましたら、おじいちゃんの言ってる方が正しかったですよ。合ってましたよ。
箱の所にちゃんと書いてありましたよ。
市民の皆様へ
「あなたの声をお聞かせ下さい!」

『かわさき落語草子』 清流亭いしあたま著 まつ出版 本体1,200円 より抜粋

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